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中日新聞夕刊記事より

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はデジタル全盛時代。
写真の世界でも大きく舵が切られた。

ニコンに続き、フィルムカメラで世界シェアの約4分の1を占める
キヤノンが、フィルムカメラからの撤退を表明したからだ。

昔ながらのフィルムをこよなく愛する『銀塩派』は、どう受け止めただろうか。


カメラコレクションが約500台に及ぶという
人気バンドTHE ALFEEの坂崎幸之助さんは
『キヤノンよ、お前もか』とため息をつく。
『記録媒体という意味ではデジタル化も仕方ないかもしれないが
せめて一眼レフだけはフィルムカメラを残してほしかった』







真家の浅井慎平さんも
『とうとう、そうなったかと、切ない気持ちです。
映画や写真は市場原理に逆らえないメディア。
現代が抱えている、すべてを経済に置き換えるということに
かかわっている話だと思う。』と嘆く。

フィルム写真にこだわるユーザーの声は
いまだ“撤退表明”していない富士写真フィルムにも寄せられている。
『銀塩写真ならではの質感、味わい、奥行き感に加え
保存性、手軽さもある。
フィルムなど感光材料は需要減にあるが
感材写真事業を継続していきたい』と同社。

東京・JR新橋駅近くのカメラ店『大庭商会』のように
『問い合わせがたくさんきていますが、うちはフィルムカメラをやめませんよ』と
意気軒高なショップも。

プロカメラマンを養成する都内の専門学校は
今年の新入生全員にフィルムカメラを買わせた。
『プロになれば、昔のフィルムの管理や
プリントも必要になる。
大御所に師事した時に
“ポジって何のことですか”では使い物にならない』と
同校の教務担当者。

授業の上では
『デジタルには教えたことを試させ
その場で、うまい、へたと指摘できるが
失敗作を一瞬で削除できる欠点がある。
フィルムで習った人は失敗作を時折眺め、かみしめるというか、
自分の中で昇華することができるんです』。

『デジタルカメラは使ったことがない。
人に借りてシャッターを切った事もありません』と言うのは
日本風景写真協会の上杉満生会長。
『光のあや、遠近感、そういったものが
デジタルでは、まだまだ表現できない。
また、フィルム写真はシャッターを切った時点で創作活動が終了するが
デジタル写真は撮影後に夕焼けの色を濃くするような
創作もできてしまう』

遠近感などはデジタル技術の進歩で克服される、
問題はもっと別の所にある、との指摘もある。

前手の浅井さんは続ける。
『最高のハイビジョンを見た時の驚きは、
バーチャルでここまでできるのかという驚きですよね。
でも、モノクロームの映画には、夢を見るような気持ちにさせる
何かがあるでしょう?
音楽も、シンセサイザーで弦楽器の音を何回も
正確に出すことは可能だが
弦の間合いまでは出せない』

(2006.5.29 中日新聞夕刊記事より抜粋)
by emi-sanpo | 2006-05-29 19:27 | 雑記(ケータイ)
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